候補者辞退を防ぐためのポイント

候補者辞退を防ぐためのポイント

概要

本ページでは、候補者がリファレンスチェックによって選考辞退しないためのベストプラクティスを記載致します。

候補者が辞退してしまう理由と対策

辞退理由と対策方法

辞退理由対策の必要性対策方法
1.現職に転職活動を隠しているから

・候補者への依頼時に、回答者条件をすり合わせる。 ⇒特に「現職の上司」は取得難易度が高いため、「転部前の上司」「直属でない上司」等を検討 (候補者が転職経験者であれば、「前職関係者」も条件として検討することを推奨)

2.頼める人物がいないから

(周囲の人と良好な関係を築けていない、円満退職ではない等の可能性大)

3.後ろめたい事実があるから

(提出書類や面接時の回答に偽りがある、社内トラブルを引き起こしていた等の可能性大)

4.志望度が低いから

・リファレンスチェックを選考フローの終盤に実施する。 ⇒最終面接前<最終面接後<内定後の順番で回答取得率は上昇。 ・事前にリファレンスチェックがあることを候補者に周知する。 ⇒求人票の選考フローに記載する、一次面接時に、○次面接で実施、と伝える等。

1.現職に転職活動を隠しているから

多くの候補者が現職を持ちながら転職活動を行っているため、現職関係者へのリファレンスチェックに抵抗感を示されてしまう場合も往々にしてございます。

現職関係者に転職活動を打ち明けられず、リファレンスチェックを依頼できない候補者が選考辞退することを防ぐために、以下の対策実施を推奨します。

対策方法

  • 候補者への案内時に、回答者条件をすり合わせる。

リファレンスチェックの回答者条件を一方的に伝えるのではなく、候補者と回答者条件をすり合わることを意識しましょう。

すり合わせ例

(企業担当)リファレンスチェックの回答者ですが、「現職の上司」「前職の上司」「前職の同僚」の3人からの推薦取得は可能でしょうか。

(候補者)分かりました。前職の人達にはもらえると思います。現職の上司からも取得可能だと思うので、聞いてみます。

特に「現職の上司」は取得が一段と難しい回答者条件になりますので、1度打診してみて候補者様の反応を見ることをお勧めします

問題なければそのまま依頼し、もし抵抗感があるようでしたら「直属ではない上司」「部署異動前の上司」など、候補者が取得できそうな方を対話の中で探っていきましょう。取得できそうな相手を一緒に見つけてあげることで、候補者の抵抗感を払拭でき、回答取得率が向上します。

事前に、回答者条件の優先順位をある程度決めておくとスムーズです。

(例) 現職の上司 > 前職の上司 > 現職の同僚 or 部下 > 前職の同僚 or 部下

誰からの取得がMUSTなのか、どこまで回答者条件を妥協できるかなど、判断基準があるとすり合わせも実施しやすくなります。

また候補者とすり合わせる場を持ち、反応をうかがうことで、後述するネガティブな事実(ex. 円満退職できていない、後ろめたいことがある)の有無を、ある程度察知することができます。

2.頼める人物がいないから

職場関係者と良好な関係を築けておらず、誰にも頼むことができない候補者も一定数いらっしゃいます。

特に「前職関係者」からの取得を依頼したにもかかわらず抵抗感を示される候補者の場合、円満退職していない可能性もあるため十分な注意が必要です。

「頼める人物がいない」という事実は、「人間関係の構築力が弱い」「入社後トラブルを起こす可能性がある」という見方もできるため、リスクチェックの役割も兼ねており、本理由での選考辞退への対策の必要性は低いと言えます。

※もし何らかの対策をされたい場合は、前項の「候補者への案内時に、回答者条件をすり合わせる」を実施し、頼めない理由・背景を候補者からヒアリングしましょう。

それによって候補者の人物像や注意事項をある程度把握することができますし、企業様の方で看過できる理由・背景なのかどうかご判断することができます。

3.後ろめたい事実があるから

候補者の中には、リファレンスチェックによって都合の悪い情報が露呈してしまうのではないかと危惧される方もいらっしゃいます。

パワハラや懲戒等の社内トラブル、または履歴書等の書類、面接時の回答に偽りがあった等の可能性が十分考えられますので、注意が必要です。

こちらの理由に関しても、上述の理由2と同様、リスクチェックとしての役割を果たしていますので、本理由での選考辞退への対策の必要性は低いと言えます。

※また、候補者に何らかの不信感を覚えた場合は、さらなるリスクチェックとして「バックグラウンドチェック」を実施するのもオススメです。

【参考】

バックグラウンドチェックの手引書

4.志望度が低いから

リファレンスチェックは候補者に多少なりともご負担をかける選考手法になりますので、志望度が醸成されていない方が選考辞退してしまう懸念があります。

「志望度フィルター」としてご活用いただいている事例もありますが、ある程度対策したい企業様には以下の実施を推奨いたします。

対策方法

  • 選考フローの終盤にリファレンスチェックを実施する。

選考フローを進むにつれて候補者の志望度が醸成されるため、選考フローの終盤の方がリファレンスチェックの回答取得率は高くなる傾向にあります。

(一般的に、最終面接前 < 最終面接後 < 内定後 の順番で回答取得率は上昇します。)

最終面接前後での実施を推奨しておりますが、もしリファレンスチェックのご利用目的が「配属検討・オンボーディング活用」なのであれば、内定後の実施もオススメです。

【参考】

選考フローへの組み込み方
  • 事前にリファレンスチェックがあることを候補者に周知する。

何の前触れもなく唐突にリファレンスチェックを依頼されると、警戒したり、負担に感じてしまったりする候補者も一定数いらっしゃいます。

求人票の選考フローに記載する、1次面接時に「○次選考に進むとリファレンスチェックを実施します」と伝える等することで、候補者も心の準備や回答者検討ができるため、実施依頼に応じてもらいやすくなります。

候補者体験(CX)を向上させるポイント

前章でご紹介した候補者の辞退理由・対策を踏まえつつ、候補者体験(CX = Candidate Experience)を向上させるためのベストプラクティスについて併せてご紹介します。

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1.求人票の選考フローにリファレンスチェックを記載する

リファレンスチェックがあることを候補者に周知するために、求人票の「選考フロー」欄に記載しておきましょう。

候補者が、選考フローのどのタイミングでリファレンスチェックが行われるかを、事前に分かっていれば、候補者も準備と心構えを持つことができます。

※選考フローだけでなく、企業様が定める「採用活動におけるプライバシーポリシー」または「採用の同意事項」において、リファレンスチェックを実施する旨を記載していただくケースも多く、弊社としても推奨しております。

2.一次選考時にリファレンスチェックを予告する

1次面接の最後などに、選考が進むとリファレンスチェックがあることを頭出ししておきましょう。 その際にリファレンスチェックの疑問点・不安点を潰してあげると、実施する際に候補者もスムーズにご協力いただけるのでオススメです。

また、特定の人物だけに実施しているのではなく、全員一律(ex. 〇次選考まで進んだ候補者全員)に実施していることが分かるようにお伝えすることを意識ください。

※特定の人物にだけ実施していると思われてしまうと、候補者に不信感等のネガティブな印象を与えるリスクがあるためです。

3.リファレンスチェックを案内する際に候補者のメリットも伝える

リファレンスチェックと聞くと、「ネガティブチェックだ」「疑われているのかな?」と感じる候補者も一定数いらっしゃいますので、可能な限りリファレンスチェックへポジティブな印象を持ってもらうことが重要です。

説明例

選考の過程において、あなたのを強みも弱みもより知るために、リファレンスチェックを実施させていただきたいのですが、よろしいでしょうか?

また「なぜリファレンスチェックを実施するのか?」の目的をしっかり伝えることで、候補者に納得度を持ってご協力いただきやすくなります。

4.リファレンスチェックの回答者条件を候補者とすり合わせる

リファレンスチェックの回答者条件を一方的に決めて、伝えるのではなく、候補者と回答者条件をすり合わることを意識しましょう。

すり合わせ例

(企業担当)リファレンスチェックの回答者ですが、「現職の上司」「前職の上司」「前職の同僚」の3人からの推薦取得は可能でしょうか。

(候補者)分かりました。前職の人達にはもらえると思います。現職の上司からも取得可能だと思うので、聞いてみます。

前章でもお伝えした通り、取得を希望する回答者条件を1度打診してみて、候補者の反応を見ることをお勧めします。

「現職に転職活動を隠している」等のやむを得ない事情もあり得るので、回答者条件には、一定の柔軟性を持った上で、依頼することを推奨しています。

【参考】

リファレンスチェックの手引書

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